なぜ大腸カメラ検査を受けるべきなのか?
大腸カメラ検査で発見できる主な病気とは?
大腸がんの早期発見とその重要性
〜「症状が出る前」に見つけることが命を守る第一歩〜
大腸がんは、日本人にとって最も身近ながんのひとつです。特に女性では死亡原因の第1位、男性でも第3位に挙げられるなど、誰にとっても他人事ではありません。
しかしその一方で―― 大腸がんは「予防」できる数少ないがんであることをご存知でしょうか?
🩺 大腸がんは「早期に見つけて治す」ことができるがん 大腸がんの多くは、腺腫(ポリープ)と呼ばれる良性の腫瘍から時間をかけてがん化していきます。この過程は年単位で進行するため、内視鏡検査で早期にポリープを発見・切除することで、大腸がんそのものを未然に防ぐことが可能です。
大腸がんは、早期に発見・治療できれば5年生存率(診断から5年経過後に生存している患者さんの割合)が95%を超えることがわかっています。しかし、進行してから見つかるとその数字は大きく下がり、5年生存率が20%を切ってしまうというデータもあります。 (出典:がん診療連携拠点病院等の院内がん登録生存率集計)
また、大腸内視鏡検査でポリープを見つけて切除することで、大腸がんによる死亡率を53%も減らせるという研究結果が、権威ある医学誌「New England Journal of Medicine」に掲載されています。
つまり、定期的な内視鏡検査でポリープを早期に取り除くことが、大腸がんの予防と命を守ることにつながるのです。
「今は症状がないから大丈夫」と思わずに、一度しっかり検査を受けてみることをおすすめします。
また、すでにがんになっていたとしても、早期の段階で発見できれば、内視鏡治療で完治を目指せるケースも多く、身体への負担も少なく済みます。
⚠️ 症状が出てからでは遅い場合も 「便に血が混じる」「お腹が痛い」「体重が減った」などの症状が出る頃には、がんが進行しているケースも少なくありません。実際、初期の大腸がんではほとんど症状が現れないため、自覚症状がないうちに検査を受けておくことが極めて重要です。
✅ 定期的な検査で、がんを「防ぐ」 40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても1度は大腸カメラを受けることが推奨されています。ご家族に大腸がんの既往歴がある方や、便潜血検査で陽性が出たことのある方は、特に注意が必要です。
「何もなかった」ことを確認するためにも、検査は大きな安心につながります。 がんを治す時代から、防ぐ時代へ――その第一歩として、大腸カメラ検査をぜひご活用ください。

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大腸ポリープはがんの前段階?
「ポリープ」と聞くと、「良性だから大丈夫」と思われる方も多いかもしれません。 しかし、大腸ポリープの中には、将来的にがんへ進行する可能性のあるタイプが存在します。
🔬 腺腫性ポリープはがんの“芽” 大腸ポリープにはいくつか種類がありますが、中でも**「腺腫性ポリープ」**は特に注意が必要です。 腺腫は時間の経過とともに一部ががん化する可能性があり、「がんの前段階(前がん病変)」とも呼ばれています。
大腸がんの多くは、この腺腫から発生すると考えられており、 つまり――腺腫を早めに見つけて切除することが、大腸がんの予防そのものにつながるのです。
もう一つ注意が必要な大腸ポリープとして、SSA/P(鋸歯状腺腫/鋸歯状ポリープ:Sessile Serrated Adenoma/Polyp)が挙げられます。
SSA/Pは、大腸ポリープの中でも**一部が大腸がんの原因となりうる「前がん病変」**と考えられている病変です。 特に、大腸の右側(盲腸~上行結腸)にできやすく、平坦で粘液に覆われていることが多いため、発見しにくい特徴があります。
SSA/Pの中には、**がん化のリスクがあるタイプ(特に異型を伴うもの)**が存在し、一見良性に見えても、時間の経過とともに大腸がんへ進展する可能性があると考えられています。 国際的なガイドラインや日本消化器内視鏡学会の方針でも、発見されたSSA/Pは原則切除が推奨されています。
✂️ 見つけた時点で切除=がん予防に直結 大腸カメラ検査では、ポリープを見つけたその場で日帰りで切除できるケースが多く、入院や大がかりな手術が不要なことも特徴です。
また、切除されたポリープは病理検査で詳しく調べられるため、今後のフォローアップ(再検査の時期)などもより正確に判断する材料になります。
✅ ポリープの有無を知ることが、がんを防ぐ第一歩 ポリープがあるかどうかは、見た目や症状では判断できません。 便潜血検査で異常が出なかった場合でも、ポリープが潜んでいるケースは少なくありません。
当院では、精度の高い拡大内視鏡とAI支援診断システムを活用し、小さなポリープも見逃さずに発見・対応しています。 腺腫を早期に取り除くことで、将来の大腸がんリスクを大きく下げることが可能です。
「ポリープがあった=終わり」ではありません。 むしろ、**「今見つかって良かった」「これで一歩がんを遠ざけられた」**と前向きに捉えていただければと思います。
不安を抱える前に、一度しっかり検査を受けて、ご自身の腸の状態を把握しておきましょう。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)やその他の病気も診断可能
〜慢性的な腹痛・下痢に悩む方にも内視鏡検査は有効です〜
大腸カメラ検査は、「大腸がんやポリープを見つけるための検査」と思われがちですが、実はそれだけではありません。 腹痛・下痢・血便・便秘などの症状が続いている方にとって、原因となる病気を正確に見極めるためにも非常に重要な検査です。
🔍 慢性的な腸の不調の背景にある病気とは? 腹痛や下痢、血便が長く続いている場合、「炎症性腸疾患(IBD)」と呼ばれる病気が隠れていることがあります。中でも代表的なのが以下の2つです:
潰瘍性大腸炎: 大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気で、慢性的な下痢・血便・腹痛が主な症状です。再発と寛解を繰り返すのが特徴で、厚生労働省の「指定難病」にも認定されています。
クローン病: 口から肛門までの消化管に炎症が起こる可能性がある病気で、若年層に多く、栄養障害や狭窄・瘻孔などの合併症もあります。
これらの疾患は、早期発見・適切な治療によって生活の質(QOL)を保つことができる病気です。そのため、早い段階での大腸カメラによる正確な診断が非常に重要です。
🧭 その他の疾患も診断可能です 大腸カメラでは、以下のような疾患も確認・診断が可能です:
- 感染性腸炎(細菌やウイルスが原因)
- 虚血性腸炎(血流障害による炎症)
- 過敏性腸症候群(機能的な腸の異常)
- 内痔核や直腸潰瘍 など
「ただのストレスや食べすぎかも」と思っていた症状に、病気が隠れているケースもあります。 気になる症状が続く場合には、早めの受診・検査が安心につながります。
自覚症状がなくても検査が必要な理由
初期の大腸がんには症状が出にくい
大腸がんの初期は、痛みもなく便も通常通りという方がほとんどです。
「血便が出ていないから大丈夫」と思っていても、実はがんが進行していたというケースもあります。
自覚症状が出る頃には、すでに進行している可能性が高いのです。
🩺 症状が出る=がんが進行しているサインかもしれません。
下血、腹痛、体重減少などの症状が出てから受診した場合、がんが中期〜進行期に進んでいる可能性があります。
しかし、早期に発見できれば、内視鏡による切除のみで完治が見込めることも多く、症状のない段階での検査が、身体への負担が少ない治療につながります。
🛡 定期的な検査こそが最大の予防策
「何も症状がない今こそ、検査を受けるべきです」
特に以下に当てはまる方は、早めの検査をおすすめします:
- 50歳以上で一度も大腸検査を受けたことがない方
- ご家族に大腸がんの既往歴がある方
健診での便潜血陽性や家族歴がある方は特に注意
「健康診断で便潜血陽性といわれたけれど、症状もないし大丈夫だろう」と、そのまま放置していませんか?
実は、便潜血検査で陽性になるのは、消化管内でわずかな出血が起きているサインです。
その原因は、痔などの良性疾患から、大腸ポリープ・大腸がんといった重篤な病変まで多岐にわたります。
特に大腸がんの早期段階でも、肉眼では確認できない少量の出血が起きていることがあります。
そのため、便潜血が陽性となった場合は、精密検査としての大腸カメラが医学的に強く推奨されています。
「症状がないから」と様子を見てしまうことで、早期発見の機会を逃してしまうリスクもあります。
また、ご家族に大腸がんの既往歴がある方は、遺伝的に大腸がんのリスクが高いことが知られています。
特に、親・兄弟姉妹が50歳未満で大腸がんになっている場合は要注意です。
この場合、リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス性大腸がん)の可能性があり、全大腸がんの約2〜5%がこの疾患によるとされています。
リンチ症候群は最も頻度の高い遺伝性腫瘍の一つです。
🧭 自覚症状がない段階から定期的な内視鏡検査を受けることが、将来の安心に直結します。
当院では、便潜血陽性後の精密検査にも対応しており、すべての内視鏡検査を消化器内視鏡専門医である院長が担当いたします。
不安な点や検査へのご希望などがあれば、事前の診察で丁寧にお伺いしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
大腸カメラ検査の特徴と安心できるポイント
最新の内視鏡技術と医師による丁寧な診療
拡大内視鏡やAI支援による高精度な診断
当院では、大腸がんやポリープの見逃しを最小限に抑えるため、最新の内視鏡機器とAI技術を活用した診断体制を整えています。
使用しているのは、OLYMPUS社製のハイエンドスコープ「PCF-H290ZI」です。
最大110倍の拡大観察が可能で、ポリープの微細な血管構造や粘膜の表面構造まで詳細に観察できます。
これにより、腫瘍か非腫瘍か、がんか非がんか、さらには粘膜内がんか浸潤がんかの診断に非常に有用です。
また、オリンパス社製のAI病変検出支援システム「EndoBRAIN-EYE」も導入しています。
検査中の画像をリアルタイムで解析し、医師とともに病変を検出。特に、平坦型や陥凹型の見つけにくい病変も高精細に捉えることができます。
👨⚕️ 熟練医師の目 × 最先端AI技術で、より高精度・高信頼な内視鏡診断を実現しています。
がん専門病院で研鑽を積んだ内視鏡専門医が全例を担当
院長はこれまで、がん専門病院にて多数の症例を診てきました。
特に早期の胃がん・大腸がんの発見や、内視鏡による診断・治療の経験は、今も当院の診療の中核です。
早期がんは非常に小さく、平坦で目立たない形をしているため、高い観察力と専門知識が必要です。
だからこそ当院では、**「他の医師に任せず、院長が全件を対応する」**ことを徹底しています。
🔍 なぜ「誰が検査するか」が重要なのか?
内視鏡検査は「受ければ安心」と思われがちですが、実は術者の技量によって、将来のがんリスクが大きく左右されることが、世界中の研究で明らかになっています。
🧬 ADRとは? なぜ重要なのか?
**ADR(Adenoma Detection Rate:腺腫発見率)**とは、大腸カメラ検査でがんの前段階である腺腫(ポリープ)をどれだけ発見できたかを示す重要な指標です。
単なる技術指標ではなく、将来のがん予防効果に直結する指標とされています。
⚠️ ADRが低い=見逃しリスクが高い。
複数の国際研究で、ADRと「Interval Cancer(検査後に新たに見つかるがん)」の発生には強い相関があると報告されています。
術者によって、検査後の大腸がんリスクが最大10倍違うという報告も。
また、ADRが1%上がるごとに、大腸がんの発生率が約3%低下するというデータもあります。
✅ 当院のADRは60%以上。全国平均を大きく上回ります。
当院では、がん専門病院で豊富な経験を積んだ内視鏡専門医の院長がすべての検査を担当しています。
その結果として、当院の大腸カメラにおけるADRは常に60%以上を維持しています。
(※米国消化器内視鏡学会では、ADR20〜30%以上が技術的に優れた医師の基準とされています。)
🛡「見逃さない検査」=「将来のがんを防ぐ検査」
- 平坦・陥凹型ポリープや微細ながんを見逃さない観察力
- 拡大内視鏡・NBI・AI支援を駆使した高精度な診断技術
- 襞の裏まで丁寧に観察する検査スタイル
これらの積み重ねが、「質の高い検査」=「がんを防ぐ検査」につながっています。
🎗 大腸がんは、検査で防げるがんです。
だからこそ、「誰が検査をするのか」——術者の技術・経験・姿勢が、患者さまの将来を左右する大きな要素になります。
初めての方も、過去に辛い経験があった方も。
当院では、**「安心して受けられる内視鏡検査」**を提供できるよう、一人ひとりと丁寧に向き合っています。
鎮静剤を使った無痛検査でストレス軽減
鎮静下で眠っている間に検査が完了
当院ではご希望に応じて鎮静剤を使用し、眠っているような状態で大腸カメラ検査を受けていただくことが可能です。
検査中の痛みや不安を感じることなく、「気づいたら終わっていた」と感じる方がほとんどです。
苦痛や不安を最小限にするための工夫
大腸カメラ検査に対して、「痛そう」「つらそう」と不安を感じる方は少なくありません。
当院では、できる限り苦痛や不安を感じずに検査を受けていただけるよう、さまざまな技術的な工夫を取り入れています。
✅ 鎮静剤の使用(ご希望に応じて)
ご希望の方には鎮静剤を使用し、眠っているような状態で検査を受けていただけます。
これにより、検査中の不快感や不安を大きく軽減できます。
✅ 鎮静なしでも苦痛が少ない「挿入技術」
当院では、鎮静剤を使用しない場合でも苦痛が少ない検査を目指し、以下のような技術を用いています。
■ 無送気軸保持短縮挿入法とは(大腸カメラ)
これは、大腸カメラ挿入時の苦痛を軽減する専門的なテクニックの一つです。
熟練した内視鏡医が行うことで、鎮静剤なしでも快適な検査が可能となります。
🔍 名前の意味と基本原理
「無送気」:
通常は腸を広げるために空気を送りますが、この方法ではできる限り送気せずに挿入します。
→ 空気で腸が膨らむと、痛みや違和感の原因となるため、それを避けます。
「軸保持」:
スコープの軸をまっすぐに保ちながら挿入することで、腸に無理な力が加わらずスムーズな挿入が可能になります。
腸の形や動きに合わせて腹部を手でやさしく圧迫しながら、軸を保ちます。
「短縮挿入法」:
大腸は曲がりくねっており、スコープを進めるとたわみが生じます。
そのたわみをたぐり寄せるように戻しながら挿入することで、腸が引っ張られる痛みを軽減します。
このような挿入法は、体格が細身の方や腹部手術歴がある方など、腸に癒着がある場合は難しいこともありますが、
そのような場合は、鎮静剤や鎮痛剤を併用することで、できる限り快適に受けていただけるよう配慮しています。
患者さま一人ひとりの状態に合わせて、無理のない方法で丁寧に検査を行いますので、ご安心ください。
✅ 浸水法(ウォータースコープ法)
空気の代わりに少量の水を用いてスコープを挿入する方法です。
腸の伸展を抑えることで、痛みの軽減が期待できます。
✅ 二酸化炭素送気による負担軽減
当院では、腸を広げるための送気に空気ではなく「二酸化炭素(CO₂)」を使用しています。
二酸化炭素は体内への吸収が速く、検査後のお腹の張り(腹満感)を軽減することができます。
✅ 挿入時間の短縮で苦痛を最小限に
スコープ挿入にかかる時間は平均2〜4分程度と非常にスムーズです。
その分、観察には10〜15分ほどかけて丁寧に行い、ポリープの見逃しを防ぎます。
挿入時間を短縮することで、苦痛を感じる時間そのものを減らす工夫をしています。
これらの取り組みにより、当院では
「思っていたよりずっと楽だった」「次回も安心して受けられそう」といったお声を多数いただいています。
内視鏡検査に不安をお持ちの方も、どうぞお気軽にご相談ください。
鎮静剤の費用っていくらくらいかかる?
当院では、**胃カメラ検査には「ミダゾラム」という鎮静剤を使用しています。
また、大腸カメラでは、ミダゾラムに加えて「ペチジン」**という鎮痛剤を併用し、より不快感の少ない検査を目指しています。
✅ 内視鏡検査で使われる鎮静・鎮痛の基本コンビ
薬剤名 |
分類 |
主な効果 |
補足 |
ミダゾラム |
鎮静薬(ベンゾジアゼピン系) |
鎮静・抗不安・健忘作用 |
検査中の不安をやわらげ、記憶が残らないようにする |
ペチジン (ペチジン塩酸塩) |
鎮痛薬 (オピオイド系) |
鎮痛・鎮痙作用 |
内視鏡挿入時の腹部の張り・痛みを和らげる |
🔍 それぞれの特徴
🟦 ミダゾラム(Midazolam)
【作用】:不安をやわらげ、眠気を誘導。健忘効果あり(検査中の記憶が残らない)
【特徴】: 効果の発現が早く、作用時間が短め
うっすらと意識はあるが、苦痛を感じにくい
※副作用:眠気、まれに呼吸抑制など
🟨 ペチジン(Pethidine)
【作用】:痛みを軽減し、腸の動きを抑える
【特徴】:鎮痛効果に加え、腸管の蠕動(ぜんどう)運動を抑制
ミダゾラムとの併用で相乗効果あり
※副作用:吐き気、まれにかゆみ、呼吸抑制(高用量時)
💉 ミダゾラム+ペチジン併用のメリット
眠っているような感覚で内視鏡検査を受けられる
痛みや不快感を大幅に軽減
記憶が残らず、検査への心理的ハードルが下がる
⚠️ 使用時の注意点
医師の厳重な管理のもとで使用
呼吸・血圧・心拍などをモニタリングしながら投与
当日の車・バイク・自転車の運転は禁止
高齢者や基礎疾患のある方には、慎重に投与量を調整
なお、保険診療の場合の費用目安は以下の通りです:
ミダゾラムのみ使用:約160円
ミダゾラム+ペチジン併用:約260円
※保険の適用により、大きなご負担なく安心してご利用いただけます。
鎮静の有無で迷われている方も、費用面も含めてぜひお気軽にご相談ください。
下剤の負担を軽くする対応も可能
院内服用と自宅服用の選択肢について解説
〜下剤の負担を軽くするために〜
大腸カメラ検査を受ける際、多くの方が気にされるのが「下剤の服用」です。
「量が多くてつらそう…」「トイレが心配…」など、検査そのものよりも下剤に対する不安を多く耳にします。
当院では、患者さまの体調やライフスタイルに応じて、下剤の服用方法を以下の2通りからお選びいただけます。
🏥 院内での服用(クリニックでの下剤服用)
検査当日の朝に当院へお越しいただき、院内の専用個室で下剤を服用していただく方法です。
【特徴】
- 清潔で快適な専用個室を完備
- 個室内で、下剤を飲みながら映画などをご覧いただけます。
- 無料Wi-Fi完備で、お仕事などもしながらお過ごしいただけます。
- 看護師が定期的に様子を確認し、不安なく安心して服用可能
- 体調の変化にも迅速に対応可能
- 初めての方や不安の強い方におすすめ
- 事前診察を省略された方も、当日院内で服用できます。
※個室代として別途1,500円がかかります。
- 検査開始時間が遅くなるケースが多くなります。
🏠 自宅での服用(在宅前処置)
検査当日の朝に、ご自宅で下剤を服用してからご来院いただく方法です。
下剤の服用手順などは、事前にしっかりご案内いたします。
【特徴】
- ご自宅でリラックスしながら下剤を服用可能
- 院内滞在時間が短く済む。
- 院内服用に比べて費用を抑えられる。
- 早朝の検査にも対応可能
- ご希望の時間帯で検査をご案内しやすい。
📝 どちらを選んでも丁寧にサポートいたします。
「下剤=つらいもの」というイメージをお持ちの方も多いですが、
当院ではできるだけ負担を軽くし、快適に検査へ臨んでいただけるよう全力でサポートしています。
ご希望やご不安に応じて、医師やスタッフが最適な服用方法をご提案いたします。
どちらの方法を選ばれても、事前説明や当日の流れは丁寧にご案内いたしますので、どうぞご安心ください。
飲みにくさへの対応や最新の下剤情報
〜「つらい」を少しでも軽くする工夫〜
大腸カメラ検査にあたって、**「下剤がつらそう」「量が多くて飲めるか不安」**といったご相談を多くいただきます。
実際、検査よりも下剤への不安が大きいという方も少なくありません。
しかし、近年では下剤も改良が進み、飲みやすく・量も少なくなってきています。
当院でも、そうした負担軽減のための対応を積極的に取り入れています。
💧 最新の下剤は「少量タイプ」「おいしさ改善」へ進化中
従来は2リットル程度の下剤を飲む必要がありましたが、近年では以下のような改良型下剤が登場しています。:
モビプレップ®
液体状で、洗浄力が高く、やや酸味のある濃い味(梅ジュースに近い印象)
服用量は約1L~1.5Lと少なく、短時間で洗浄可能
濃度が高いため、服用量の半分程度の水分を同時に補給する必要があります。
当院で最も多く使用されている腸管洗浄液
※高齢者や腎機能が低下している方にも比較的安全に使用可能
サルプレップ®
液体状で、レモン風味の比較的飲みやすい味(人によっては苦みを感じることも)
服用量は480〜960mlと非常に少量。ただし、下剤の倍量の水を飲む必要があるため、服用方法はやや複雑
半数程度の方は、480ml+水分1Lで検査可能になります。
スペックが非常に高く、今後の主流となることが期待されている下剤。
※2021年5月に日本製薬より発売。腎機能が低下している方には使用できません。
患者さまの体質・既往歴・ご希望に応じて、医師が適切な下剤を選定いたします。
「これなら飲めそう」と感じられる方も増えています。
当院では、以下のようなさまざまな下剤をご用意しています:
モビプレップ®
サルプレップ®
マグコロール®
ピコプレップ®
ビジクリア®
ニフレック® など
味・量・作用のバランスを考慮しながら、個別に対応いたします。
不安な点や過去の服用経験などがあれば、遠慮なくお申し出ください。
🧃 飲みやすくするためのサポートも充実
下剤を少しでも飲みやすく、負担を軽くできるよう、当院では以下のような工夫も取り入れています。:
- 味のアクセントになる飲み物(経口補水液やスポーツドリンク)との併用
- 冷やして飲むことで風味を抑える。
- 途中で休憩を挟みながら無理のないペースで服用
- 院内服用時には、看護師による声かけや体調確認
- ストローを使って下剤が直接口に触れにくいようにする工夫
「全部飲めるか心配」「以前に気分が悪くなった経験がある」といった方も、
当院スタッフが丁寧にサポートいたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
大腸カメラを受けるタイミングと費用について
どんなタイミングで検査を受ければいい?
40歳を過ぎたら定期的な内視鏡検査を
大腸がんのリスクは40歳以降から上昇し、50代以降に急増します。
症状がなくても、40歳を過ぎたら一度は大腸カメラ検査を受けておくことが推奨されています。
特に、家族に大腸がんの既往がある方は、より早めの受診がおすすめです。
症状がある・便潜血陽性・家族歴がある方はすぐに受診を
- 健診で便潜血陽性と出たとき
健康診断や人間ドックで「便潜血検査陽性」と判定された場合、大腸カメラによる精密検査が必要です。
見逃しのない正確な診断のためには、早めの受診が大切です。
- 腹痛・下痢・便秘・血便などの症状があるとき
これらの症状は、ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患などのサインである可能性があります。
症状が長引く、または繰り返す場合は、消化器内科の受診と大腸カメラの検討をおすすめします。
- 過去にポリープを切除したことがある方
ポリープは再発することもあるため、切除後の定期的なフォローアップが重要です。
医師の指示に従い、1〜3年ごとの内視鏡検査を受けるようにしましょう。
大腸カメラの費用の目安と保険適用について
保険診療で受ける場合の費用感
大腸カメラ検査は、症状や医師の判断に基づいて実施する場合は健康保険が適用されます。
(3割負担の場合の費用目安は以下のとおりです)
検査内容 |
自己負担の費用(3割負担の場合) |
観察のみ(ポリープなし) |
約7,000円前後 |
生検(病理検査)あり |
約11,000〜18,000円前後 |
ポリープ切除あり |
約25,000〜32,000円前後 |
※金額はあくまで目安であり、検査内容・処置内容・使用薬剤などにより変動します。
※1割・2割負担の方は、上記よりさらに低い金額となります。
検査前には、想定される費用について事前にご説明いたしますので、
ご不安な点があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。
人間ドックとして受ける大腸カメラ費用は?
当院では、**人間ドックとして自費で大腸カメラ検査を受ける場合の費用は24,800円(税込)**です。
症状がなくても、「予防的に一度検査を受けておきたい」「保険証が使えない事情がある」という方にもご利用いただけます。
保険診療と異なり、検査日時の希望が通りやすいのも自費検査のメリットです。
なお、検査中に異常が見つかり、追加の処置(生検やポリープ切除)が必要になった場合には、保険診療に切り替えて対応いたします。
その際の費用についても、事前にしっかりご説明いたしますのでご安心ください。
医療費控除の対象になる?
大腸カメラ検査の費用が医療費控除の対象になるかどうかは、検査の目的や結果によって異なります。
- 治療を目的とした検査の場合
血便や腹痛などの症状があり、医師の判断で検査を受けた場合や、ポリープの切除を伴った検査などは、
医療費控除の対象となります(国税庁による見解)。
- 予防や健康診断を目的とした検査の場合
自覚症状がなく、健康診断や人間ドックの一環で行った大腸カメラ検査は、
原則として医療費控除の対象外です。
ただし、検査結果で重大な疾患が発見され、その後治療が行われた場合は、
検査費用も控除対象となる可能性があります。
📝 医療費控除を受けるためのポイント
年間の医療費が一定額を超えること
1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が、
10万円または所得総額の5%(いずれか少ない方)を超える場合、控除対象となります。
確定申告が必要
控除を受けるには、翌年の確定申告期間中に申告が必要です。
領収書の保管
検査や治療の領収書は、申告時に必要となりますので大切に保管してください。
なお、医療費控除の詳細や適用条件については、税務署や専門家へご相談されることをおすすめします。
当院の内視鏡検査の特徴と安心できる取り組み
医師とスタッフによる丁寧なサポート体制
初めての方でも安心の事前説明
初めての内視鏡検査では、
「痛くないの?」「下剤が不安…」「寝てる間に終わるって本当?」など、
多くの方がさまざまな不安や疑問を抱えています。
当院では、そうした不安を解消し、安心して検査に臨んでいただくために、事前説明をとても大切にしています。
🗣 医師による丁寧な説明
検査前には、担当医師が患者さまのお話をじっくり伺いながら、
検査の目的や流れ、使用する鎮静剤や下剤の種類などをわかりやすくご説明します。
難しい専門用語はなるべく避けてご説明いたしますので、初めての方も安心してご相談ください。
🤝 スタッフもチームでサポート
看護師や受付スタッフも、検査前後の流れや準備について、やさしく丁寧にご案内いたします。
体調や既往歴、ライフスタイルに応じて、下剤の種類や服用方法(院内・自宅)にも柔軟に対応しています。
不安な点や過去のご経験があれば、どうぞ遠慮なくお伝えください。
私たちは、不安な気持ちに寄り添いながら、一緒に最善の方法を考えてまいります。
「初めてだからこそ、安心して受けたい」
そんな思いに応えるため、“説明の質”にもこだわっています。
少しでもご不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
専門性とチーム医療の強み
内視鏡検査は、ただ機械を使うだけではなく、
検査の精度や安全性を左右するのは、医師の専門性とスタッフのチームワークです。
当院では、消化器内視鏡専門医であり、がん専門病院で豊富な経験を持つ院長がすべての検査を担当しています。
専門医ならではの視点と判断力で、見逃しのない高精度な検査を提供しています。
🩺 医師の技術 × スタッフの連携
内視鏡検査は医師一人では完結しません。
患者さまが安心して検査を受けられるように、**看護師・事務スタッフ・リカバリー担当など、全員でサポートする「チーム医療体制」**を大切にしています。
- 看護師による体調確認や丁寧な声かけ
- 受付スタッフによるスムーズなご案内
- 検査中や検査後の状態に応じた適切なフォローと情報共有
- それぞれの専門性を活かし、安全かつスムーズな検査環境を整えています。
🧭 チームで向き合う“患者さま一人ひとり”
体質・既往歴・生活スタイル・ご経験に応じて、必要なサポートは人それぞれです。
だからこそ、私たちはスタッフ全員で、**「一人ひとりに合った医療とは何か」**を考えながら、常に同じ方向を向いて診療にあたっています。
「一人では不安だったけれど、ここなら安心して受けられた。」
そう思っていただけるよう、今後も専門性+チーム力で、信頼される医療を提供してまいります。
院内の快適な環境と検査設備の紹介
院内個室での下剤服用が可能
〜リラックスできる空間で安心して前処置を〜
大腸カメラ検査を受ける際、**多くの方が「検査そのもの」以上に不安を感じるのが、下剤の服用(前処置)**です。
「トイレが心配」「急に気分が悪くなったらどうしよう」など、特に初めての方にとっては大きなハードルとなることもあります。
当院では、こうした不安を少しでも軽減できるよう、専用の個室スペースを完備し、快適な環境で下剤を服用いただける体制を整えています。
🛋️ 落ち着いた個室空間で安心&快適に
- プライバシーが守られた専用個室で、周囲を気にせずリラックス
- ゆったりとしたリクライニングチェアをご用意
- 専用トイレがすぐ近くにあり、急な対応にも安心
- テレビモニター設置で、映画や映像コンテンツを観ながら前処置可能
→ 長時間になりがちな前処置も、気を紛らわせながら快適に過ごせます。
- Wi-Fi完備で、スマートフォンやタブレットの使用も可能
清潔で落ち着いた空間づくり
〜検査前後もリラックスできる環境を目指して〜
内視鏡検査を受けるにあたり、**「どんな空間で過ごすか」**は、患者さまの安心感や快適さに大きな影響を与えます。
特に大腸カメラでは、下剤の服用に時間がかかるため、環境の整備は検査全体の満足度を左右する重要な要素です。
当院では、すべての患者さまに心地よくお過ごしいただけるよう、院内の空間づくりにも細やかな配慮を行っています。
✨ 清潔感のあるホテルライクな院内設計
受付や待合室は、ホワイト×ゴールドを基調とした清潔感と落ち着きのある内装
「まるでホテルのような空間づくり」を意識し、来院された方が居心地よく過ごせる環境を整えています。
こまめな清掃と徹底した衛生管理により、常に清潔な状態を維持。
🛋 リカバリースペースはリラックス仕様
リカバリースペースは、待合・受付エリアとは異なる、木目を基調とした落ち着いた雰囲気の空間に設計されています。
明るく開放感のある待合スペースは、清潔感と温かみのあるデザインで構成
一方、検査後にお休みいただくリカバリールームでは、静かな空間へと切り替わります。
木目のぬくもりと間接照明、静かなBGM、適切な室温管理により、心身ともにリラックスできる環境を整えています。
検査を終えた後、まるで“別世界”に入ったかのような静けさと安心感の中で、ゆっくりと体を休めていただける――
そんな空間づくりを、私たちは大切にしています。
まとめ 〜安心して大腸カメラを受けていただくために〜
大腸カメラ検査は、大腸がんをはじめとするさまざまな疾患の早期発見・早期治療につながる非常に重要な検査です。
「下剤がつらそう」「検査が怖い」など、不安を感じる方も多いかもしれませんが、当院では最新の設備と医師・スタッフの丁寧な対応により、できる限り負担の少ない、快適で安心できる検査環境を整えています。
内視鏡専門医による高精度な診断と、患者さま一人ひとりに合わせたサポート体制で、
「受けてよかった」と思っていただける検査体験をご提供いたします。
症状がある方はもちろん、症状がない方も、40歳を過ぎたら一度ご自身の腸の健康と向き合ってみませんか?
ご不安なことや気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さまの健康を守るお手伝いができることを、スタッフ一同、心より願っております。