大腸ポリープ切除

Medical 大腸ポリープ切除

MEDICAL大腸ポリープ切除について

当院では、大腸カメラ検査の際に大腸ポリープを発見した場合は、その場で切除することが可能です(日帰り対応)。
一度の大腸カメラ検査内で切除できるポリープは概ね5個未満で大きさは2cm以下が目安です。数が5個以上の場合は、2~3度にわけて切除手術を行います。
ポリープの大きさが3cm以上の場合は切除の際に入院が必要になりますので、その場合は連携している病院を紹介させていただいています。切除可能と判断した場合は、内視鏡的ポリペクトミー(コールドポリペクトミー)や内視鏡粘膜切除術(EMR)にて切除を行っています。

内視鏡的ポリペクトミー

内視鏡的ポリペクトミーとは、内視鏡の先端から金属製のリング(スネア)を出して、ポリープの根元を締め付けて切除する方法です。高周波電流を用いずにポリープを切除するコールドポリペクトミーと、高周波電流を用いてポリープを切除するホットポリペクトミーに分けられます。
コールドポリペクトミーはがんを疑わない10mm未満の大きさのポリープの切除に用いられます。高周波電流を用いないため、切除の際に腸粘膜を火傷したり、腸に穴が開く(穿孔)という合併症のリスクがなく、切除後に出血が起こりにくいという特徴があります。通電によって血管を焼き切らないため、切除直後に多少の出血が起こることもありますが、数分で自然止血するため安全です。
また、通電しないことによって、心臓ペースメーカーや金属製ステントを留置している方にも安全にポリープの切除を行うことができます。ホットポリペクトミーは、がんを疑う場合など、しっかりと切除する必要がある10mm以上のポリープを切除する際に用いることが多い切除方法です。
高周波電流を用いることで確実に病変を切除することはできますが、稀に深い層にまで火傷の影響が及ぶことがあり、術後に出血や穿孔などの合併症を引き起こすリスクがわずかにあります。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

内視鏡的粘膜切除術(EMR)とは、ポリープがある粘膜層のすぐ下の層に生理食塩水を注入して、ポリープを浮き上がらせ、浮き上がった部分の根元にスネアをかけてワイヤーを少しずつ絞めていきながら、高周波電流を用いて切除する方法です。
生理食塩水が緩衝材となるため、ポリープを切除する際に通電の影響が深部まで伝わらず、穿孔のリスクが低減され、安全かつ確実な切除を行うことができます。
ポリープが平坦な場合など、通常のポリペクトミーではうまくスネアがかけづらいポリープや、がんを強く疑うポリープに対して取り残しを避けるために行われる治療法です。

MEDICAL大腸ポリープ切除に伴う合併症について

内視鏡による大腸ポリープの切除は、熟練した医師が行えば非常に安全性が高い手術ですが、稀に合併症を起こすことがあります。
大腸ポリープを切除した傷口は、通常約3~4週間で治癒するのですが、治癒するまでの間に出血が起きたり(術後出血)、切除後しばらくして腸に穴が開く(大腸穿孔)可能性があります。

術後出血

術後出血は、ポリープ切除後の合併症で一番多い合併症ですが、その発生率は100人に1人程度(約1%前後)とされています。術後出血は、切除後2~3日以内に起こることが多く、抗血栓薬を服用されている方などは最長2週間くらいまで起こる可能性があります。
便に血液が混じる程度の少量の出血の場合は、自然に止血されるため、あまり心配する必要はありません。便全体が血液に包まれるような大量の出血を起こしている場合は、大腸内視鏡で止血する必要があります。

大腸穿孔

大腸穿孔は、ポリープを切除する際の合併症として稀に起こることがあり、その発生率は1000人に1人程度(約0.05-0.8%)とされています。主に大きなポリープを無理に切除したり、切除時の過剰な通電が原因で起こります。
大腸穿孔には、手術中に起こるものと、手術後2~3日以内に起こる遅発性のものがあります。手術中に大腸穿孔が起こった場合は、多くはクリップで縫合することで自然に治癒します。
しかし、術後遅発性に大腸穿孔が起こった場合は、緊急で開腹手術が必要になることがあります。

MEDICAL大腸ポリープ病理検査の結果について

内視鏡で切除したポリープは悪性か良性かを調べるために病理検査が行われます。
しかし、良性のポリープは徐々に悪性度が増してがん化していくため、良性のポリープとがんははっきりとした境界線が引けるものではなく、良性か悪性かの判断が判定する医師によって異なることがあります。

監修医師 安江 千尋

安江 千尋

院長資格

専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
指導医
  • 日本消化器内視鏡学会指導医

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 日本消化管学会
院長紹介
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