鼻からと口からどっちが良い?

Medical 鼻からと口からどっちが良い?

MEDICAL胃カメラ検査の検査方法(選択肢)

胃カメラ検査は経鼻内視鏡検査(鼻から挿入)と経口内視鏡検査(口から挿入)の2種類からお選びいただけます。
さらにどちらの検査の場合も鎮静剤を使用するかしないかをお選びいただけます。なお、経鼻内視鏡検査の場合は鎮静剤を用いることにあまりメリットがないため、多くの医療機関で行われていません。

MEDICAL胃カメラ検査は鼻からと口からどっちが良い?

胃カメラ検査を苦痛が少ない順に並べると、「経鼻内視鏡検査」≒「経口内視鏡検査(鎮静剤あり)」>「経口内視鏡検査(鎮静剤なし)」となります。
苦痛が少ない検査をお選びになるとすると、「経鼻内視鏡検査」か「経口内視鏡検査(鎮静剤あり)」がお勧めです。

MEDICAL鼻から・口からそれぞれのメリット・デメリット

経鼻内視鏡検査は鎮静剤を用いなくても、嘔吐反射が起こりにくいため、鎮静剤を用いるのが怖い方に向いていると言えます。
しかし、経鼻内視鏡検査では、スコープを鼻から挿入する都合上、口から入ってすぐにある上咽頭付近の観察ができないほか、通常の検査は問題なく行えるものの、経口内視鏡検査と比べて拡大観察などの精密検査には向かないというデメリットもあります。そのため鎮静剤を用いて検査を行う場合は、経口内視鏡検査が良いと思われます。

メリット デメリット
経鼻内視鏡検査
  • 鎮静剤を使わなくても嘔吐反射が起こりにくい (鎮静剤不使用の場合)
  • 検査中、医師と会話ができる
  • 院内の滞在時間が短い
  • 検査後の運転が可能
  • 上咽頭が観察できない
  • 拡大観察ができない
  • 鼻腔が細い場合は内視鏡が入らなかったり、出血することがある
  • 検査時間が比較的長くなりやすい
経口内視鏡検査
  • 上咽頭の観察ができる
  • 病変が見つかった場合は精密な観察ができる
  • 精度が高く、比較的短時間で終わる
  • 嘔吐反射が起こりやすい (鎮静剤使用の場合)
  • 院内の滞在時間が長い
  • 検査後の運転が不可

MEDICAL胃カメラを鼻から入れる場合の流れ

Step

検査前日

夕食は、固いものを避け、消化の良いもの(おかゆや素うどんなど)を20時までに摂ってください(午後に胃カメラ検査を行う場合は、前日の夕食の時間制限はございません)。
水分摂取に関しての制限はありません。常用薬は普段通り服用してください。

Step

検査当日

午前検査の方

朝食は摂らないでください。普段薬を服用している場合は、検査開始の2時間前までに内服してください。
ただし、糖尿病の内服薬はインスリンも含めて検査当日の朝は休薬してください。
水分摂取は色のつかない水や薄いお茶、スポーツドリンクなどで行ってください。

午後検査の方

当日朝8時までに消化の良いものを軽めに摂取してください。例:トースト、お粥、スープ、具なしみそ汁、ゼリーなど
水分補給は検査直前まで可能ですが、色のつかない水や薄いお茶、スポーツドリンクなどで行ってください。普段薬を服用している場合は、検査開始の2時間前までに内服してください。
ただし、糖尿病の内服薬はインスリンも含めて検査当日の朝から検査終了後までは休薬してください。検査後の服薬再開のタイミングについては検査後にご説明いたします。

胃カメラ検査は、ご自身のお洋服を着たまま行いますので、服装はなるべく動きやすいものを選び、汚れの目立つ白い服や高価な装飾品は避けていただくようお願いします。
※抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)は自己判断で休薬しないでください。基本的には抗血栓薬服用下でも胃カメラ検査を受けていただくことは可能です。

Step

検査の前処置

胃の泡を消す薬剤と粘液除去剤を服用していただき、鼻出血予防のために血管収縮剤を両側の鼻腔に噴霧します。
その後、鼻からスコープを挿入するときの痛みや違和感を軽減し、内視鏡の潤滑を良くする目的で、鼻に麻酔をします。
麻酔の方法はスプレー状のものを噴霧したり、ゼリー状のものを注入するなど様々な方法がありますが、当院ではゼリー状の麻酔剤2mlを鼻腔にゆっくりと注入し、のどに達したら飲み込んでいただきます。
鎮静剤を用いる検査を行う場合には点滴の準備をして、検査直前に静脈ルートから鎮静剤を投与します。

Step

鼻からスコープを挿入する

鼻に麻酔がかかったら、スコープを挿入します。スコープ挿入の際には、できるだけ力を抜き、医師に身を任せることで苦痛を少なくすることができます。
怖がったり、緊張したりせず、深呼吸を意識しましょう。経鼻内視鏡検査では、口を自由に動かすことができるため、検査中に何かありましたら、遠慮なくその場の医師や看護師にお伝えください。
※鼻腔が狭い方、アレルギー性鼻炎の方などは、極細径カメラの挿入が困難なことがあります。両側の鼻腔とも挿入できない場合、口からの挿入法に変更します。

Step

咽頭内の観察

鼻腔からスコープを挿入し進んでいくと、まずは咽頭(喉)に到達します。
咽頭は、上咽頭・中咽頭・下咽頭にわかれており、まずはこの咽頭にがんやポリープがないか、粘膜の色や形状を観察します。

Step

食道・胃・十二指腸(上部消化管)の観察

咽頭からスコープを進めていき、食道・胃・十二指腸へと順に観察します。
食道がんや胃がん、十二指腸がん、腺腫などの腫瘍や、びらんや潰瘍などの病変があるか、どのくらいの範囲に病変が及んでいるかを調べることができます。もし検査中に疑わしい病変が見つかった場合は、その場で内視鏡を用いて組織を採取し、病理検査に回すことがあります。
消化管の粘膜には痛覚がないため、組織を採取する際に痛みを伴うことはありません。

Step

スコープを抜く

上部消化管内の観察が終わったら、ゆっくりとスコープを抜き、検査が終了します。検査後1時間程度は鼻の麻酔が残っているため、飲食は控えてください。
また、鼻血が出ることがありますが、その場合はガーゼで圧迫して止血してください。鎮静剤を用いて検査を行った場合は、検査後30~60分程リカバリースペースでお休みいただき、その後検査結果の説明を行います。検査の途中で組織の一部を採取した場合は、病理検査の結果が出るまで7~10日程かかりますので再診予約が必要です。
検査当日の激しい運動は控えてください。組織採取を行った場合は、検査当日は消化のよいものを食べるようにしていただき、飲酒は控えてください。常用薬は、通常通り内服してください。
鎮静剤を使用した場合は、車やバイク、自転車の運転はしていただけないため、ご家族などの送迎や公共交通機関を利用してご帰宅してください。

MEDICAL胃カメラを口から入れる場合の流れ

Step

検査の前日

夕食は、固いものを避け、消化の良いもの(おかゆや素うどんなど)を20時までに摂ってください(午後に胃カメラ検査を行う場合は、前日の夕食の時間制限はございません)。
水分摂取に関しての制限はありません。常用薬は普段通り服用してください。

Step

検査当日

午前検査の方

朝食は摂らないでください。普段薬を服用している場合は、検査開始の2時間前までに内服してください。
ただし、糖尿病の内服薬はインスリンも含めて検査当日の朝は休薬してください。
水分摂取は色のつかない水や薄いお茶、スポーツドリンクなどで行ってください。

午後検査の方

当日朝8時までに消化の良いものを軽めに摂取してください。例:トースト、お粥、スープ、具なしみそ汁、ゼリーなど
水分補給は検査直前まで可能ですが、色のつかない水や薄いお茶、スポーツドリンクなどで行ってください。普段薬を服用している場合は、検査開始の2時間前までに内服してください。
ただし、糖尿病の内服薬はインスリンも含めて検査当日の朝から検査終了後までは休薬してください。検査後の服薬再開のタイミングについては検査後にご説明いたします。

胃カメラ検査は、ご自身のお洋服を着たまま行いますので、服装はなるべく動きやすいものを選び、汚れの目立つ白い服や高価な装飾品は避けていただくようお願いします。
※抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)は自己判断で休薬しないでください。基本的には抗血栓薬服用下でも胃カメラ検査を受けていただくことは可能です。

Step

検査の前処置

胃の泡を消す薬剤と粘液除去剤を服用していただきます。
その後、のどの麻酔薬をしばらくのどにためていただき、ゆっくりと飲み干します。追加でのどにスプレーの麻酔を行う場合もあります。
鎮静剤を用いる検査を行う場合には点滴の準備をして、検査直前に静脈ルートから鎮静剤を投与します。

Step

検査中

検査台の上に左側を下にして横になり、マウスピースを噛んでいただきます。
検査中は唾は飲み込まないで吐き出してください。深呼吸を意識すると楽に検査が行えます。
苦痛が強い場合は手を挙げてお知らせください。ただし、鎮静剤を使用すれば苦痛を感じることなく眠った状態で検査を受けることができます。検査時間は5~10分程度で終了します。

Step

検査後

喉の麻酔がきれるまで1時間程度かかります。麻酔がきれるまでは、飲食はしていただけません。
検査後1時間が経って、水を飲んでむせなければ食事をしていただけます。
胃を観察するために入れた空気が腸内に残っていると、お腹が張った感じや鈍い痛みがあるかもしれませんが、体を動かしているうちにげっぷやおならとして排出されることで緩和されます。

Step

検査結果の説明

鎮静剤を用いて検査を行った場合は、検査後30~60分程リカバリースペースでお休みいただき、その後検査結果の説明を行います。
検査の途中で組織の一部を採取した場合は、病理検査の結果が出るまで7~10日程かかりますので再診予約が必要です。
検査当日の激しい運動は控えてください。組織採取を行った場合は、検査当日は消化のよいものを食べるようにしていただき、飲酒は控えてください。常用薬は、通常通り内服してください。
鎮静剤を使用した場合は、車やバイク、自転車の運転はしていただけないため、ご家族などの送迎や公共交通機関を利用してご帰宅してください。

MEDICAL経鼻内視鏡・経口内視鏡のよくある質問

経鼻内視鏡検査を楽に受けるコツはありますか?

緊張すると筋肉がこわばり、挿入が難しくなることがあります。リラックスして体の力を抜き、深呼吸を意識すると楽に検査をお受けいただくことができます。
また、検査を受けるうえでわからないことや不安なことがある場合は、遠慮なく質問しましょう。それでも不安や緊張が強い場合は、鎮静剤を使用することもできます。ご希望があればご相談ください。

経鼻内視鏡検査後に鼻血が出たらどうしたらよいですか?

経鼻内視鏡検査では、稀に鼻血が出ることがあります。ほとんどの場合は鼻をガーゼでつまんで圧迫すると、3~5分で止血できます。
ただし、血液をさらさらにする薬(抗血栓薬)を服用している方や、鼻血が出やすい体質の方、普段から血圧が高い方は鼻血が出やすかったり止まりにくかったりする場合があります。
保冷剤などで鼻を冷やしながら圧迫するとさらに止血しやすくなりお勧めです。鼻血がいったん止まっても再出血を防ぐために、しばらくの間、強く鼻をかまないようにしましょう。もし10分以上鼻をつまんでも出血がとまらない場合や、出血量が多い場合は、当院にご連絡ください。

経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査の費用の違いは?

経鼻内視鏡検査の方が費用が少し安いですが、それほど大差はありません。
費用で比較するよりかは、検査の質や苦痛の多さを元に検査方法をお選びするのがお勧めです。静脈麻酔を使用する場合は、経口内視鏡検査をお勧めします。

監修医師 安江 千尋

安江 千尋

院長資格

専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
指導医
  • 日本消化器内視鏡学会指導医

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 日本消化管学会
院長紹介
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