MEDICALストレスと腹痛
ストレスは、身体に生理的にも心理的にも影響を及ぼすことがわかっており、様々な症状を引き起こしますが、その中でも代表的な症状として腹痛が挙げられます。
自律神経への影響
ストレスが増加すると、自律神経のバランスが崩れることがあります。
交感神経が優位になると、胃や腸の機能が低下し、腸管の動きが低下したり、消化液の分泌が減少することで、腹痛や消化不良が起こることがあります。
腸の運動への影響
ストレスは腸の運動に影響を及ぼします。強いストレスに晒されると、腸の運動が活発になったり(過敏性腸症候群など)、逆に腸の運動が低下したりします(便秘など)。
特に過度のストレスが続くと、腸の運動が不規則になり、腹痛が現れることがあります。
免疫系の関与
ストレスは免疫系に影響を及ぼすことがあります。
ストレスによって免疫系が過剰に反応すると、腸に炎症が起こり、腹痛や下痢などの症状が起こることがあります(炎症性腸疾患など)。
不安や緊張
ストレスによって不安や緊張が高まると、胃や腸が過敏になり、腹痛が起こることがあります。
MEDICALストレスを緩和する方法
代表的なストレスを緩和する方法は以下の通りです。
リラックス法
深呼吸や瞑想、ヨガ、プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション(筋肉の緊張と解放を繰り返す方法)などのリラックス法は、心身のリラックスを促進し副交感神経を活性化するため、ストレスの緩和に有効です。
趣味や興味を持つ活動
趣味や興味を持つ活動を行うと、気分がリフレッシュされ、ストレスを緩和します。
読書や音楽、ガーデニング、手芸など、自分の楽しめる活動を見つけましょう。
適度な運動
適度な運動は、ストレスの緩和に有効です。有酸素運動やストレッチは身体的な緊張も和らげてくれます。
ストレスの共有
友人や家族など、親しい人とのストレスの共有は、気持ちを軽くし、ストレスの緩和につながります。
社会的なつながりは心の健康に重要です。
時間管理
予定が詰まり過ぎているなど、時間的な緊迫感によってストレスを受けることがあります。
余裕を持ったスケジュールを組むことなど時間管理を行うことで、ストレスを緩和できる場合もあります。
自己ケア
十分な睡眠時間の確保や、バランスの良い食事などの自己ケアによって、ストレスへの耐性が高まることがわかっています。
自然に触れる
自然の中を散歩したり、自然豊かな公園で休憩するなど、自然に触れる活動は、ストレスを緩和します。
MEDICAL感情表現が苦手(アレキシサイミア)だと腹痛になりやすい?
過敏性腸症候群などの心身症は、アレキシサイミア傾向の人が発症しやすいことがわかっています。
アレキシサイミアとは、失感情症とも呼ばれ、感情を認識するための感覚機能が上手く作用せずに、自分や他人の感情が認識しづらいという状態のことです。
アレキシサイミア傾向が高い方は、辛い、怒り、悲しみなどの気持ちを認識したり、言葉で表現することが難しくストレスが溜まりやすいため、心身症を発症しやすいと考えられています。
監修医師 安江 千尋
院長資格
- 専門医
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- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 指導医
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- 日本消化器内視鏡学会指導医
- 日本消化器病学会指導医
所属学会
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本大腸肛門病学会
- 日本消化管学会